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『この日(読売新聞より)』

今日8月15日、戦後80年の節目となる終戦の
日を迎えた。今から80年前のこの日の早朝、鈴
木貫太郎首相(当時)の邸宅から火の手が上がっ
た。終戦に反対する陸軍の軍人たちが首相を殺害
しようと押しかけ、火を放った。官邸から緊急事
態の連絡を受けた首相は間一髪で難を逃れる。天
皇自ら国民に終戦を伝えるラジオ(玉音)放送が
流される数時間前のことだった。鈴木首相が反乱
を起こした軍人に襲撃されたのは、これが2度目。
終戦末期の45年4月7日に発足した鈴木内閣は
日本本土で最後の一戦を交えんとする軍部を抑え、
昭和天皇の意をくむカタチで終戦に導いた。昭和
天皇は鈴木に首相就任を求め「この国の国家危急
の重大時期に際して、もう他に人はない。頼むか
らどうか枉げて承知して貰いたい」。鈴木は終戦
を目指す『陛下の思し召し』を感じ取り、首相の
任を受けたという。鈴木貫太郎が首相でなければ、
あのタイミングでの終戦はあり得なかっただろう。