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『踊りつかれて』
前作から１年と９ヶ月、塩田武士の『踊りつかれ
て』を読み終える。「よく聞け、匿名性で武装し
た卑怯者ども」。メディアの中心が紙からインタ
ーネットに移行、間違った情報は拡散され、誹謗
中傷が激化しやすくなった現在、週刊誌と無責任
なネット社会の功罪に鋭く切り込んでゆくところ
から物語は始まる。一気に３００頁まで進んだと
ころで物語は思わぬ方向へ。現代社会に警鐘を鳴
らす、また問題を提起する題材でありながら、ひ
と言でいえば「もったいない」結末でしたね。著
者の傑作『罪の声』には届かず。次作に期待やね。