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『ユビキタス』

『ユビキタス』とは、いつでもどこでも存在する
という偏在を表す言葉。とある。なるほど。20
数年ぶりに鈴木光司の小説を手にする。360度
見渡す限り氷の世界、地球でもっとも寒いといわ
れる南極大陸から物語は始まる。この【出だし】
からワクワクするではないか。「地球生命の歴史
を、植物の視点で眺め直すと、世界が織り成す風
景はどのように変わるだろうか?」が物語のテー
マだ。その分野を苦手とする酒場店主でもぐいぐ
いと濃密な『ユビキタス』の世界に引き込まれま
した。あれよと言う間の433頁、読み応えあり。