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プロレス・格闘技
『格闘技が紅白に勝った日』

ふらりと立ち寄った書店で、目にしたらあかんも
んに目が留まる。そのタイトルに『格闘技が紅白
に勝った日』とある。ああ、曙がボブ・サップに
負けた2003年のあの日の話か。ほう、著者は
『力道山未亡人』『沢村忠に真空を飛ばせた男』
の細田昌志ですか。これはまた、難儀な本が出ま
したな。2003年の大晦日、民放の3局がいず
れもゴールデンタイムに格闘技のイベントを放映。
なかでも「曙太郎対ボブ・サップ」の試合では裏
番組の紅白歌合戦を視聴率で上回る快挙となった。
しかしながら、本書の最後に記されてる通り「大
金が右から左に動き、テレビ局や裏社会まで巻き
込みながら、暗闘に次ぐ暗闘を繰り広げた200
3年・大晦日の格闘技興行戦争は、勝者なき戦争
だったのである」。結論から言えば、本書にそれ
まで2冊の面白さはない。後味の悪さだけが残る。