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昭和
プロレス・格闘技
『沢村忠に真空を飛ばせた男』

本書は、キックボクサー・沢村忠の評伝ではなく
『沢村忠に真空を飛ばせた男』野口修の評伝です。
実に553頁、上下2段組の大作だ。著者は、読
み終えたばかり『力道山未亡人』の細田昌志。主
人公の野口修は「キックボクシングを創設し、沢
村忠と歌手・五木ひろしを世に送り出した昭和の
プロモーター」でありながら、偉人でもなければ
巨人でもない、一介の興行師だった。ただし、こ
れだけは言える。【偉業】とは、必ずしも偉人だ
けが成し遂げるものではないということを。伝説
の男の数奇な人生は「昭和の裏面史」そのもので
ある。好きやなこの手の話、読み応えありの一冊。