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酒場店主のブログ

『熱源』

この度の直木賞受賞作【熱源】を読む。明治維新
後の樺太(サハリン)が舞台。極寒の地で、時代
に翻弄されながらアイデンティティを揺るがされ
た経験を持つふたりが出会い、自らが守り継ぎた
いものの正体(熱源)に辿り着く。読み応え有り。
しかし、この熱さは何なんだ。【熱源】とは著者
川越宗一、その人を指す。40代前半の大阪生ま
れの著者が何故、この時代の樺太、アイヌをく描
くことが出来たのだろうか。それは彼自身の思い
そのものが【熱源】なのだ。壮大なスケールで描
かれた骨太の一冊です。ええもん、読ませていた
だきました。川越宗一、この物書きはホンモノだ。