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2018.11.17
本
2256
『戦慄の記録 インパール』
昨年の8月に放映されたNHKスペシャル 【戦慄の記録 インパール】が書籍となっ た。書店にて目敏く発見。【インパール作 戦】は戦後長く無謀な作戦の代名詞でした。 川幅600メートルの大河と2000メー トル級の山々を越え、インドのイギリス軍 の拠点・インパール攻略を目指した日本軍。 3万人もの死者を出した作戦は、どのよう に立案・遂行されたのか・・番組で紹介す ることができなかった情報を加筆した一冊。 戦地インドの人たちにとってはイギリス軍 も日本軍も【よそ者】である。よそ者がや ってきて、勝手に戦争を始め、空から爆弾 を放ち、地形が変わるほど砲弾をあびせた。 住民の多くの人が巻き込まれ犠牲になった。 太平洋戦争で最も無謀といわれる作戦でし た。この作戦を遂行した大日本帝国陸軍は 戦闘集団であるとともに、首相をはじめ多 くの閣僚を輩出する政治集団であり、数百 万の兵と国家財政の8割前後を差配する官 僚集団であった。上司への忖度、現場の軽 視、横行する精神論、責任所在のあいまい さ・・戦後70数年が経つ今も変わらない 日本社会の病理。あの男の顔がちらついて くる。頁を捲る端々から怒りがこみあげる。
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