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酒場店主のブログ

『二つの山崎豊子』

この半月、2冊の【山崎豊子】を読む。1冊 は新潮文庫の【山崎豊子読本】。デビュー作 から絶筆までの全作品を徹底解剖したガイド ブックだ。創作の原点となる当時の【船場】 模様、後の作品に繋がる戦争への思いや、幻 の恋を綴った赤裸々な日記も公開されてます。 もう1冊は文春文庫から【山崎豊子先生の素 顔】。52年間、一心同体となり国民的作家 を支えた秘書・野上孝子の回想録。どちらか と言えば、こちらの回想録を興味深く読みま したね。何しろ52年もの間、身近に居た人 の言葉なので、山崎豊子の良い面ばかりでは なく、我がままでどうしようもない嫌な面も。 その真っ直ぐな作家の性格から、何ごとにも 妥協を許さぬ作品に対する姿勢や、凄まじい。 異なる角度から二つの【山崎豊子】。巨匠の 作品、本棚の奥から引っ張り出してみますか。