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2018.06.13
本
1230
『村上春樹・紀行文集』
このひと月、わりとヘヴィな本を選び、読ん だので少しばかり休憩を。手にした一冊は村 上春樹の紀行文集。【ノルウェィの森】等の 小説よりも、シングル・モルトを味わうべく 訪ねたアイラ島・紀行【もし僕らのことばが ウイスキーであったなら】の方が好きなのだ。 電車の窓から見える、須磨の海を眺めながら この風景に合う本があれば・・と思ったとき、 書店で見つけた一冊。読みはじめ50数頁に 南側には比較的平坦な海岸線が続き、海鳥が 多く、バードウオッチングに適している。北 部沿岸にはいくつかの息をのむような美しい フィヨルドがある。大昔に氷河によって削り 取られた断崖、ひっそりとした静かな入り江、 赤い屋根の小さな教会、どこまでもひろがる 緑色の苔、低く速く流れるくっきりとした雲、 不思議なかたちをしたもの言わぬ山々、風に 揺れるソフトな草、句読点を打つように思い 思いに散らばった羊たち・・焼け落ちた廃屋、 冬に向けてしっかりと束ねられた干し草、そ れら風景は写真を撮ることさえはばかられた。 上手いなあ・・その場所に居なくとも北欧の 情景が目に浮かんでくる。旅することから随 分と離れた酒場店主に、一服の清涼剤となる。
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