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酒場店主のブログ

『軌道』

2005年4月25日、乗客と運転士10 7人が死亡、562人が重軽傷を負った福 知山線脱線事故。明日、その日を迎える前 に読み終えた本書。「責任追及は横に置く。 一緒にやらないか」遺族と加害企業の社長、 相反する立場の2人は巨大組織を変えるた めにどう闘ったのか。あの事故から始まっ た13年間の【軌道】とは・・一気に読み 切りました。書店で目に留まり、読んでみ たいと思った本書。否、必読の一冊となる。 著者がこれまで見聞きした遺族とは何かが 決定的に違う一人の遺族、浅野弥三一の提 言で、巨大事故の遺族と加害者企業の幹部、 それに第三者の有識者が同じテーブルに着 き議論を交わす前例のない取り組みにより、 安全より利益を追求した巨大組織は変わろ うとする。それは長い道のりでした。しか し・・本書もエピローグの手前となる昨年 暮れに新幹線【重大インシデント】の発生。 JR西日本の安全対策は道半ば・・本書は 遺族と加害企業との二つの軌道が交差した 地点からの歩み寄りの記録だ。明日を前に。