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『路地の子』
2日前、週刊文春【今週の必読】書評を
読み、その足で書店に向かう。文中の凄
まじい【熱】に圧倒され、そのまま一気
に読み切る。一匹狼ながら部落解放同盟、
右翼、共産党、ヤクザと相まみえ、同和
権利を取り巻く時代の波に翻弄されつつ
生き抜いた父親の姿を、息子である著者
が描いた本書です。時代背景は異なりま
すが、同じく大阪を舞台とし実父を描く
梁石日の小説【血と骨】と重なりました。
書評より、作家には一生の中で書かなけ
ればならない作品というものがある。本
書はまさにそれであり、読者は著者がぶ
つけてくる熱量に圧倒されるはずだ。だ
が、この強烈なエネルギーこそが、善も
悪もすべて含めた【路地】の現実なのだ。
怒涛の半生、その迫力に圧倒される一冊。












