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酒場店主のブログ

日記

『オリンピックの身代金』

昨年末から読みはじめたこの小説を、やっと読み終えた。 500ページの上下段で、字も小さく読みごたえありだ。 ストーリーは読んで字のごとく『東京オリンピック』を 妨害して身代金を戴こうと言うもの。 この作家は19 59年生でワタシとはひとつ違い、当時の東京の様子は 想像で表現するしかないのですが、よう調べてますね。 物語は『オリンピック開催』の3ヶ月前に遡ったところ からスタートし、その当時『オリンピック』を前にした 期待感や高揚感が読む者に伝わり好感が持てます。 終盤になり、このシチュエーションは過去に見た何かに 似てると思ったら・・1979年・沢田研二主演の映画 『太陽を盗んだ男』と同じことに気付く。 この小説の 発想は、この映画からかも知れない。 『原爆』が『オ リンピック』とすり変わったものだ。 パクったな。と 鬼の首をとったようなコトは言いません。 これはこれ で小説として楽しませていただきました。 その当時、その場に臨場してない作家の想像で書かれて ると言う、状況表現の詰めの甘さはありますが・・エン ターテインメントとして楽しめる大作です。『三丁目の 夕日』を好む、昭和30年代生まれの方にお勧めの一冊。