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酒場店主のブログ

『黒澤明VS.ハリウッド』

4年前に読んだ・・『読み応え有り』 の一冊が早くも文庫本で。 再読です。 黒澤明の監督人生における最も大きな 挫折、『トラ・トラ・トラ』の監督降 板の真相を、アメリカに埋もれてた膨 大な資料の発掘で、当事の関係者にも 取材、時間を労して検証した力作です。 お互いに敬意を払いつつも・・衝突を 繰り返す『黒澤明』と『ハリウッド』。 制作当初、黒澤は『この作品は、日米 両国の誤解の記録であり、優秀なエネ ルギーの浪費の記録である。この【悲 劇】を、戦争のなかの人間性を掘り下 げて表現してみたい』と語ったそうな。 結果として皮肉にも【悲劇】は、黒澤 自身に当てはまるコトとなったのです。 最初に読んだときよりも・・2度目の 方が重く、きつかった。 黒澤明を愛 する者にとっては、辛い一冊なのです が・・読んでおきたい一冊。でもある。