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酒場店主のブログ

日記

『共喰い』

遅ればせながら【共食い】を読む。著者 田中慎弥は、芥川賞受賞時に『賞をもら って当然』『もらっておいてやる』等と ヌカしてたので、お前がどんだけのもん か見たろやないか。と意地のワルい姿勢 で読み始める。も・・なかなかどうして、 やるやん。この手の小説、嫌いやないね。 舞台設定は昭和63年(1988年)な のですが、以前に読んだ宮本輝の【泥の 河】と同じ昭和の旧い臭いがする。お上 品な方にはお奨めしませんが・・ワタシ のような者は、その情景と臭いをアタマ のなかで組み立てるコトが出来るのです。 赤裸々な性交描写と異臭が漂う【川】の 情景描写の上手さに、芥川賞を納得する。