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酒場店主のブログ

独り言

『無名』

先日、本棚の整理より埋もれた一冊の文 庫を引っ張り出す。著者の父親が脳出血 により入院、静けさのなかに消えてゆこ うとする姿、無数の記憶を甦らせようと 父親と過ごした最後の日々・・沢木耕太 郎の【無名】。著者の作品では珍しく本 棚の奥に何年も眠ったままの状態でした。 頁を捲り・・自分の父親と最後の数日間 が重なる。クモ膜下出血で意識が戻らぬ まま逝った父親。子供の頃は単身赴任の 転勤ながく、また高校卒業後より関西で 暮らすワタシは父親と二人っきりで話を した記憶は殆ど残ってない。亡くなる数 日間、入院先での夜間看病にワタシが残 りたいと家族に申し出る。無言ながら父 親と、初めて二人だけの長い時間を過す。 ワタシ自身、明後日に大腸の内視鏡検査 を控え、本書を読んでみたくなった。読 み始め途中ですが亡き父親を近しく想う。