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『火宅の人』

『火宅の人(上下巻)』を読み終える。刊行され
たのは1975年、遅ればせながらこのトシで手
に取る。女たち、酒、とめどもない放浪、崩壊寸
前のわが家をよそに、放埓を極める生き方をした
小説家・壇一雄。20年の歳月を費やし、死の床
で完成した遺作長編となる本書。これから先、こ
の手の(無頼派・破滅型)私小説を手にすること
はないであろう。以前に読んだ『苦役列車』の西
村賢太はその後継者に当たるのか。本書を補足す
べく、一雄の妻「ヨソ子」30年の愛と痛みと真
実を、あの沢木耕太郎の手によって自伝のような
カタチで記された『壇』を読んで終わりとしよう。












